商品の適正価格を決めるための市場調査とは?具体的なチェックリストとプロセスをご紹介

前提:商品の価格は一回で決めない

みなさんは、自分の商品やサービスの価格をどのように設定していますか?最初の価格設定をどうしたらよいか分からない。安すぎる価格を設定してしまい、今さら価格を上げづらい。このような悩みを抱えていませんか?実は、商品の価格は一回で決め切らなくても良いのです。なぜなら「価格」とは、市場の動向、競合、顧客の価値認識といった変動する要素に基づいており、これらの要素は時間とともに変化するからです。

適正価格設定は、一回きりの決断ではなく、継続的なプロセスと捉えましょう。市場に出る前の価格設定は、あくまで出発点に過ぎず、実際に市場に出てから得られるデータとフィードバックを基に、価格を見直し、調整していく必要があります。これには、販売実績、顧客からのフィードバック、競合との比較分析など、多岐にわたる情報収集が伴います。

価格設定のための事前チェックリスト

価格を設定する前に、下記の内容をチェックしておきましょう。そうすることで、商品やサービスの価格に明確な根拠を持った上で、自信をもってお客様に販売することができます。

他社と比べた自社サービスの立ち位置

最初のステップは、その市場での自社の位置づけを理解することです。自分の商品と似ている他社商品の価格を洗い出してみましょう。競合他社との比較は、自社製品の強みと弱点を明らかにし、顧客が価格に対してどのように反応するかを予測するのに役立ちます。この分析を通じて、自社製品が市場においてどのような独自価値を提供しているのか、またそれが顧客にとってどのような意味を持つのかを理解することができます。独自の価値提案を持つ製品は、市場で高価格を設定する余地があります。

自分自身の販売セールス力

製品の価格を決定する際には、自身の販売力も重要な要素です。販売チームのスキルや経験、過去の実績、SNSでの発信力などを分析することで、どの程度のお客様に商品をリーチできるかが見えてきます。リーチしたお客様に対して何割の方にご購入いただけるかを計算することで、売上を予想することができます。セールスの精度を高めることによって、高価格設定でも顧客に価値を伝え、納得させることができます。一方で、販売力に自信がない場合は、価格設定において慎重なアプローチが必要になるかもしれません。

どのようなアップセルにするのか

価格設定上で考慮すべき別の要素は、アップセルです。アップセルは、顧客が基本的な製品やサービスを購入した後に、追加で高価なオプションやサービスを購入することを促すことです。アップセルを事前に計画することで、初期の製品価格を低く設定しても、顧客生涯価値を通じて収益を最大化することが可能になります。どのようなアップセルができるかを事前に設計し、顧客が付加価値を感じるオファーを提供してみましょう。

価格設定のためのプロセス

上記のチェックリストを踏まえて、価格設定のプロセスをご説明します。市場の変化、競合の動向、自社の成長段階に応じて、柔軟に価格を調整していく必要があります。このプロセスを通じて、企業は市場における自身の位置を確固たるものにし、利益を最大化することができます。

他社を分析して現時点の状態に合わせて価格を設定

価格を設定する前に、自社サービスに似た競合他社の価格設定を調査しましょう。その上で、チェックリストを参考に、自社の販売セールス力、アップセルの有無に応じて設定していきます。競合の価格設定を理解することで、自社製品の価格設定に関してもっとも有効な決定を下すことができます。その上で、自社の価格調整が必要かどうかを判断することが重要です。

販売力・認知度に合わせて付加価値とともに価格を調整

時間の経過と共に、自社の販売力や市場での認知度は変化していきます。その時々の状況に合わせて、製品の価格を設定しましょう。セールス力があれば、製品の付加価値を顧客により効果的に伝えることができ、それに伴い価格を高めることができます。逆に、市場での認知度が低い場合は、価格を抑えることで顧客の関心を引き、徐々に製品の価値を高めていく戦略が有効です。

継続的に他社をリサーチしながら価格を調整

市場は常に変化しています。そのため、継続的に市場調査を行い、競合他社の動きに注目することが重要です。市場の変化や競合他社の新たな価格設定に応じて、自社の価格も適宜調整する必要があります。この継続的な監視と調整により、自社製品の価格が常に市場環境に適応していることを確認し、競争力を維持することが可能になります。

まとめ:まずは他社をリサーチして自社サービスの価値を知ろう

適正な価格設定をするためには、継続的に市場と競合をリサーチし、その知識をもとに自社サービスの価値を適切に評価することが重要です。このプロセスは単に競合の価格を下回ることを目指すのではなく、自社サービスの独自の価値を認識し、その価値に見合った価格を設定することが目的です。

市場と競合のリサーチを通じて、自社サービスが提供する独特の利点や解決策を明確に理解することができます。それにより、顧客がなぜ自社の製品やサービスに対して高額を支払うべきなのか、あるいはなぜより手頃な価格で提供しているのかについて、自信をもって明確な根拠を伝えることができるのです。

また、価格設定は単なる数字の問題ではありません。それは顧客に対する約束であり、自社サービスの品質、価値、そして市場における位置づけを反映しています。適切な価格設定により、顧客は自社サービスが解決しようとしている問題や満たそうとしているニーズをより明確に理解することができます。

自社サービスの真の価値を理解し、それに基づいて価格を設定することで、ビジネスは競争力を維持し、顧客からの信頼を得ることができるのです。